INT #音楽少女 PRODUCER 新井智大 / 須藤孝太郎 Part1｜201806

TVアニメ「音楽少女」2018年7月6日より放送開始

音楽少女

PRODUCER SPECIAL INTERVIEW

新井智大さん / 須藤孝太郎さん

（キングレコード株式会社）

7月6日からTVアニメがスタートする『音楽少女』。オリジナル作品ゆえの先が見えない展開で放送前から期待が高まる一本であるが、今回はプロデューサーを務める新井智大さんと須藤孝太郎さんの二人にアニメの内容だけではなく「音楽」周りに関しても詳しく話を伺ってきた。そしてインタビューも後半、作品の全貌が見えてくるに従って露になってきたのは作品と音楽に対する深い愛情であった。

Text／田中克佳

新レーベルまで立ち上げて世に放たれる『音楽少女』は

音楽愛が詰まったアニメとなりそう

――7月よりスタートするアニメ『音楽少女』。アイドル作品戦国時代ともいえる今、満を持して投入してきたわけですが、どのような構想があったのでしょう？

須藤　僕らも当時把握していませんでしたが、『音楽少女』に関しては以前スタチャ（スターチャイルドレコード）からCDが出ていたんですよ。

新井　千歳ハル、熊谷絵里、竜王更紗というキャラクターをスタジオディーンさんが作って、そのキャラクターが歌う音楽の制作も行っていたんです。

須藤　何年前かにコミケでCDを出していて、僕らは当時担当ではなかったので詳しくは関わっていないんですが、そのころからアニメ化を見据えていたと聞いています。ただ我々の部署統合などがあり、スタチャという部署名も無くなっているので、もう一度ゼロから考えましょうか、キャラも増やしましょうという話になって今に至るという感じです。

新井　アニメに関してはディーンさんが前身となるものを作っていて、『アニメミライ2015』（現・あにめたまご）で出展していました。その時のメンバーはハル、絵里、更紗の3人だったのですがキャラを増やしていくうちに12人になっていました（笑）。

――『音楽少女』の「柱」については何を考えていますか？

新井　これはディーンさんとのディスカッションで僕たちも同じようなことをお伺いしたんです。「アニメ化の際は、何をいちばん大事にしたいですか？」と。そうしたら「音楽です」と回答がありまして――。僕らの時代は、同じ世代で同じ音楽を共有していたじゃないですか？　その共感を呼び戻したい、楽曲を大事にやっていきたいという強い気持ちが伝わってきました。そういうこともあって基本的に僕らも、楽曲をマニアックというよりはポピュラーな方向を目指して作っています。

――その『音楽少女』。今後は多くの楽曲がリリースされる予定となっていますが、曲はおふたりが分担して制作しているんですか？

須藤　半々くらいですね。主題歌周りは新井が多くて、僕は後半だったり、ユニット曲が多いイメージですね。アニメ放映中には10週連続でシングルをリリースしていく予定なのでさすがにひとりだとキツイですから。

新井　途中で「分担しても無理かも」って思ったもんね？（笑）

――その先駆けとして6月6日に1stシングル「ON STAGE LIFE」が発売されましたが、アニメ放映の1ヶ月前というタイミングですね。

新井　現時点で作品に関しての情報が無いじゃないですか？　そこで音楽を大切にしていく作品であるからこそ、どうしてもアニメ前に楽曲をリリースしておきたかったんです。モチーフは「パズル」になっていて、最後のピースはファンの皆さん。ファンの応援があるからステージに立てる、そんな楽曲になりました。

須藤　そんな思いが込められている楽曲ですから、アニメ開始前はこの「ON STAGE LIFE」一本勝負で行く予定です。

――同時に作品のために3Dモデル（音楽少女たちも3Dモデリングで動くとか!?）が所属することになる『PINE RECORDS』を立ち上げました。

新井　現状、レーベルのHPに行くと人間とキャラクターの両方が載っている場合があるじゃないですか？　でも実際に分かりづらい部分ってありませんか？　そこを「バーチャルキャラのみ」にしてしまえばそれがレーベルのカラーにもなりますし、何よりファンが分かりやすい。なら、作っちゃおうという感じで立ち上げたんですよ。

――アニメのお話に移らせていただきますが、現時点で公式サイトを見ると主人公・山田木はなこの部分だけ閲覧できないようになっていますよね？　何かあるのではないかと深読みしてしまうのですが……。

新井　はなこの紹介をしておきますと、彼女はアイドルポテンシャルが高くて、かわいい女の子です。アフレコでもはなこを演じる深川芹亜さんはムードメーカー的な立ち回りをしてくれていますし、賑やかで和気藹々とした現場になっています。

須藤　そのはなこですが1話や2話だけで見ると「この子大丈夫かな？」と感じるかもしれませんが、いろいろな楽しみ方があっていいと思っていますので皆さん存分に楽しんでもらいたいですね。

新井　確かに1話や2話でのヤバ味は強いよね（笑）。

須藤　それでいて全然嫌な子ではなく、いいやつなんですよ。ただ……、中の人とリンクした結果、怪物が誕生してしまったぞと（笑）。

新井　決して深川さんが危ない人というわけではないですからね!?

須藤　他のキャストに関しても12人が映っているキービジュアルがあるんですが、キャスト陣が同じポーズを決めて立っていても全然違和感ないくらいに似ている部分があっていい作品になっていますよね。

新井　まあそんなわけでして、はなこに関しては事前に知識を入れるより、先入観なしで放送を見てもらったほうが楽しめるんじゃないかな……と。こんな締めでいいでしょうか？（笑）

――ありがとうございます。最後に『音楽少女』の放送を待っている読者にひとことをお願いいたします。

新井　現場が楽しく作業していますし愛情がこもった作品であるのは間違いありません。たぶん映像を通じてそれは伝わると思いますし、ひとりよがりのプロジェクトじゃないことも伝わると信じてみんなでがんばっていますので、作品に触れて、アニメを見てみて、いいなと思ったらぜひアイドル『音楽少女』のファンになって欲しいなと思っています。

須藤　新井がいったことがすべてですね。個人的には『ポプテピピック』で覇権が取れなかったので、この『音楽少女』で覇権を取るぞという気持ちでがんばっています（笑）。

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プロフィール：新井智大●2007年キングレコード入社。現KING AMUSEMENT CREATIVE所属『音楽少女』プロデューサー。主な担当作品・アーティスト：魔法少女リリカルなのは・小倉唯・内田雄馬　須藤孝太郎●2008年キングレコード入社。現KING AMUSEMENT CREATIVE所属『音楽少女』プロデューサー。主な担当作品・アーティスト：ポプテピピック・上坂すみれ

AT-X……7月6日より毎週金曜25:00

TOKYO MX1……7月7日より毎週土曜25:00

BS11……7月7日より毎週土曜25:00

アニメストーリー

PINE RECORDS（パインレコード：通称パイレコ）に所属している千歳ハル、熊谷絵里、竜王更紗、迎桐、迎羽織、箕作沙々芽、西尾未来、雪野日陽、具志堅シュープ、金時琴子、諸岡ろろの11人は『音楽少女』という名前のアイドルグループのメンバー。
しかし『音楽少女』は全く売れていないC級アイドル。鳴かず飛ばず＆赤字を生み出すだけの『音楽少女』だがプロデューサー池橋とメンバーは必死に頑張っていた『音楽少女』には新メンバーが必要だと考える池橋。成功をつかむための起爆剤となるようなアイドルが！……ということで、オーディションに明け暮れていた。そんなある日、『音楽少女』と主人公・はなこが出会って……。