INT ＃森久保祥太郎｜PHANTOM PAIN：Interview

morikuboi2709main_93_712 現在、ライブツアー中の森久保祥太郎が、10月7日にシングル「PHANTOM PAIN」をリリース。森久保自身も、新たなPHASEの扉が開いたと語る攻めのシングル。心で体で感じる１枚だ。

文／磯貝綾子

上手くいかないことや憤りなんてものも、
目に見えてないところに原因があるんじゃないか、と

――「PHANTOM PAIN」のテーマはどこから生まれたのでしょうか？

森久保　前回のシングル「FOCUS」リリース日の2／25に体調を壊して、生まれて初めて入院したんです。急性膵炎でした。最初はみぞおちあたりが痛かったので、胃だと思って胃カメラを飲んだけど見つからなくて、盲腸かもと言われていわれたりして、なかなか原因がわからなかったんですよね。そんな中、僕もいろいろ調べているうちに“PHANTOM PAIN”（幻肢痛）という言葉に巡り合ったんです。直訳すると、“幻の痛み”。これ、いいテーマになるなって、いつか曲に使おうと思ったんです。

――ただでは転ばないぞと（笑）。

森久保　そうそう（笑）。“PHANTOM PAIN” という言葉から、意外と違うところに痛みの原因があったりして。上手くいかないことや憤りなんてものも、目に見えてないところに原因があるんじゃないか、と。

――今回は今まで一緒にタッグを組んできた、井上日徳さんとの楽曲なんですね。

森久保　前回の「FOCUS」は違う環境で制作したシングルになりましたが、今回はあらためて「自分の本流でいきましょう」と日徳さんと話して進めていきました。制作期間がわりとタイトな中やっていて、僕が作ったデモも、メロディーとコードだけ詰めただけでイメージを伝えて、アレンジは、完全に日徳さんにお任せしたんです。そしたら、僕のデモのメロディーを上手く組み替えた構成の提案ももらったし、何と言ってもギターのリフがすごく攻めている曲が上がってきたんですよ。彼自身、この曲が出来上がったときは「ものスゲーのできたぞ！」ってすごく興奮していましたね。

――２曲目の「SHAKE!!」はどんな曲に？

森久保　僕が作ったデモの段階では、ちょっとマイナー調の攻撃的な曲だったんですけど、「PHANTOM PAIN」とキーがかぶっちゃうね、と日徳さんと話して、アレンジの段階でキー自体を変えたりして。そうしたら、僕が作っていたサビのイメージよりもポップになって返ってきたんです。デモの段階で、サビで “SLAVE!!”（隷属する）と歌っていたんだけど、曲ができた段階でこれじゃねぇな、と（笑）。日徳さんの仮歌がたまたま「SHAKE!!」と聴こえたので、いいじゃんと思って使わせてもらいました。ライブでみんなと一緒にコール＆レスポンスができる曲になりました。

――３曲目は「It’s me」。

森久保　アルバムの場合は１曲目をインストにしていて、その曲をライブのオープニングに使っているんですよね。久しくアルバムを出していないので、９月からのライブツアーのオープニングを飾る曲がないことで、インストの曲にしようと思っていたんです。で、この曲に関してはアイディアのスケッチだけ日徳さんに丸投げしたら、上がってきたデモで日徳さんが歌っていたんですよ（笑）。じゃあ歌うか、と。歌うと言っても、ヴォイスをコラージュ的に入れているものしたんです。さらに、ライブでやる曲だから、お客さんから掛け声が入るようにしようとアイディアをもらったので、急遽レコーディングしました。「It’s me」（これが俺だ！）という曲になっています。

――シングル「PHANTOM PAIN」のビジュアルイメージはどのようなものに？

森久保　ジャケットもＭＶも、なぜか僕の中で明確なイメージがありました。体半分がスケルトンというか、レントゲンみたいなのがいいって。たぶん、入院しているときに得たアイディアだと思うけど（笑）。最終的にすごくPHANTOM感がありつつ、再生というか何かが生まれるようなビジュアルイメージのジャケットになりました。ＰＶは速いカット割で、ものすごい角度のアングルを使った、激しくて勢いのある映像になっています。金髪にしちゃったし！

――金髪はお久しぶりですよね。何か心境の変化が？

森久保　僕の中で去年は “迷彩” がトレンドで、今年は厄年のせいかわからないですけど、“金” のものにすごく惹かれて。今までアクセサリーはシルバーばかりだったんですけど、アクセサリーも服のスタッズも金のものを買ったりして、今回のライブグッズも金を取り入れていた中、「俺も金髪にすっか」と。今年のラッキーカラー。ただそれだけです（笑）。

――《LIVE TOUR 2015 心・裸・晩・唱～PHASE5～》は、残すは東京公演ですね。

森久保　楽しみですね。「PHANTOM PAIN」で森久保が音楽をやっていく上での新しい幹が育ち始めた手ごたえを感じています。ぜひ３曲聴いて勢いを感じていただければと思います。