現在放送中のTVアニメ『戦姫絶唱シンフォギアGX』で、シリーズ3期連続でEDテーマを歌う高垣彩陽。雪音クリス役でもこの作品に出演している彼女に、“再生”をテーマにした9thシングル「Rebirth-day」について語ってもらった。
文/幡野敬
歌詞とその音に対して感じた、自分の心の動きに逆らわずに
――《シンフォギアライブ2013》で、3期の制作決定を発表したんですよね。
高垣 あのときの(シンフォギアファンである)“適合者”の皆さんの歓声の大きさで、この作品はほんとにファンの方の愛に支えられているんだなって、あらためて感じました。で、いよいよ『GX』が動き出すという話を小耳に挟んだときに「できればまたEDを歌わせていただけると嬉しいな」みたいな、ソワソワ感はありました(笑)。
――引き続き高垣さんがEDを歌うことになりました。
高垣 1期のED「Meteor Light」からそうなんですけど、原作・シリーズ構成/脚本の金子(彰文)さんからテーマをいただいて、それを元にmavieさんが歌詞を書いてくださるんです。作品に限りなく近いところから曲が生まれているというのは、『シンフォギア』の強みだなと思います。ストーリーが進んでいくことによって、より曲の理解が深まるという面白さ、楽しみがあるんです。
――「Rebirth-day」のテーマは“再生”ですよね。
高垣 かなり重要なワードだと思いますね。再生の前には破壊があるんです。何が壊れて、そしてどうなっていくのかというのは、作品と照らし合わせて聴いていただくことで、「だからこの歌詞だったんだ」っていう発見があると思います。
――どういったアプローチで歌おうと考えていました?
高垣 EDは藤田淳平さんが1期から作・編曲をしてくださっていて、きっと疾走感のあるものがくるんだろうなってイメージはしていたんです。
――まさにそんな感じですよね。
高垣 想像していた以上にリズミカルでカッコ良かった。最初にデモを聴いたときに「私、これ歌えるかな?」みたいな緊張感はあったんです。しかも思うような練習もできず、準備不足でレコーディング当日を迎えてしまったんです。
――不安を抱えて?
高垣 EDとして、『GX』の世界観をしっかりと歌うぞ、という気合いだけはあったんです。心配はしていたものの、すごいスムーズにレコーディングが進んで、ディレクターさんからも「今日、めちゃ調子いいね」って驚かれて(笑)。
――事前に歌い込まなかったというか、型を決めなかったことが良かったんですかね。
高垣 いつもは十分にプラン立てするのに、それができなかったので、感じたまま歌ってみたんです。こういう声で歌おうとか、テクニカルな面よりも、歌詞とその音に対して感じた自分の心の動きに逆らわずに。歌詞でステキだなと思ったのは、〈しあわせは儚く消えてしまうものじゃない/そう、ここにあると知ってても見えなくなるもの〉ってところ。歌いながら確かにそうだなって(笑)。きれい事ばかりじゃなくて、刺さるような痛い言葉など、端々に“シンフォギアっぽさ”がありますね。
――やっぱりレコーディングに柔軟性は必要なんですね。
高垣 「こう歌わなきゃ!」って考えすぎたりすると、どんどん表現が小っちゃくなるんだなっていうのを実感しました。ほんと「Rebirth-day」じゃないですけど、自分の弱点を再確認みたいな。変に「絶対ここはこう歌いたいんです!」っていうこだわりがなかった分、そのときのテンション、ノリでいけたのが良かったのかなと思っていて。あとラップっぽいところもあって、そこは自分的には挑戦でした。
――Dメロですね。
高垣 リズムが速ければ速いほど、歌詞の伝え方が難しいと感じながらも、気持ちよく歌えました。コーラスの英語パートもサイバー感があって。こういった世界観って『シンフォギア』という作品があってこそ巡り会えたものだと思うんです。
――ノンタイアップだった前作「愛の陽」を経て、あらためてタイアップで歌うことの意味を考えたということも?
高垣 作品ありきで楽曲があるっていう、そこにどれだけ自分が救われていたかというか……。作品に寄り添わせていただき、新しい世界を見せていただけたし、チャレンジする機会を与えてもらっていたんだなって。だから自分は『シンフォギア』の楽曲の世界観を表現するひとつのパーツであろうという気持ちもあったんです。
――そういった意味では、アートワークも作品を意識して作っているんですか?
高垣 まさにそうですね。私が『シンフォギア』の楽曲に持つイメージって黒や濃紺なんです。EDも3作目だし、「思いきってモノクロにしませんか?」って提案して(笑)、今までにない雰囲気のジャケットになってます。
――オシャレですよね。
高垣 あと「Rebirth-day」なので、生まれ変わるというところで、ちょっとヌーディな、大人・高垣といった面も出しています(笑)。MVではムービングライトを使って光と影のコントラストを際立たせた映像にしてもらっているんです。なので楽曲、アートワークも含めて『シンフォギア』の世界を楽しんでほしいですね。
高垣彩陽|Rebirth-day|ロングインタビュー後編は近日公開予定。お楽しみに。
高垣彩陽 9thシングル|Rebirth-day|2015年7月29日発売
TVアニメ『戦姫絶唱シンフォギアGX』エンディングテーマ
①Rebirth-day
②If
③TRUE COLORS
④Rebirth-day
TVサイズロングイントロver.
(アニメ盤のみ収録)
初回限定盤|CD+DVD|SMCL-393~394|¥1,713+税
通常盤|CD ONLY|SMCL-395|¥1,241+税
アニメ盤|CD ONLY|SMCL-396|¥1,241+税
発売元:ミュージックレイン 販売元:ソニー・ミュージックマーケティング
戦姫絶唱シンフォギアGX キャラクターソング4 雪音クリス(CV:高垣彩陽)
2015年8月19日発売|KICM-3297|¥1,200+税
発売元・販売元:キングレコード